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理想郷、軍艦島

先日、長崎大学で行ってまいりました。「小学校英語教育学会」が長崎大学で行われ、研究発表を見学しました。

英語リスニングでよく取り入れられている「シャドーイング」について発表を聞きました。シャドーイング、当教室でも取り入れています。シャドーイングをすると、まず、集中力が身につきます。そのあと、細かい音の発音やつながりも聞き取れるようになります。さらに流暢に話せるようにもなります。リーディングの速読にも役立ち、TOEICや英検でも成果を上げているのが現状です。

発表の次の日は、軍艦島ツアーに参加しました。昨年も軍艦島ツアーに参加しましたが、昨年は波の状況が悪く、上陸することができませんでした。今回は、運良く上陸でき、万事OKでした。(台風にも遭わず!)

今回、私が軍艦島(端島)で感じたことは、何年か前に訪れたカンボジアのアンコールワットとにた空気を感じたことです。建物の崩壊、散乱する瓦礫というだけでなく、かつて栄えていたものが崩壊するというのは、何か共通点があるのだと思います。何となく哀愁が漂い、虚しさを感ぜざるをえませんでした。

端島は、江戸時代後期に石炭が発見され、明治からは海底炭鉱で栄えた人工の島です。主要エネルギーの転換によって昭和49年に閉山となります。端島が軍艦島と呼ばれているのは、軍艦「土佐」に似ていたからだそうです。

明治時代には、三菱が端島を買い取ります。その後、端島は三菱の所有となり、まるで三菱王国というに似つかわしいコミュニティーが誕生します。大変奥の深い島でありますが、私が感動したのは、この島にはこれといった大きな事件や犯罪はなかったということです。まだカラーテレビがそれほど一般家庭に普及していなかった頃、すでに軍艦島の家庭にテレビが普及していたとか。軍艦島の暮らしはそこそこ豊かだったように思われます。

これを聞いて思い浮かんだ言葉は「理想郷」。昨年読みかけた、トマス・モアの『ユートピア」を思い出しました。まさにこのような理想のコミュニティーが明治から昭和にかけて存在していたのです。軍艦島は世界一人口密度の高い島だったそうで、その記録は未だ破られていないらしい。人口密度が高くなると食料問題などの問題が起きると、本で読んだことがあります。でも、軍艦島はそうではなかった。しかしながら、そんな理想郷でも、所詮、企業の所有地。だから、企業が撤退すると決めたら、住民ごと撤退なのです。大規模なリストラ。しかし、この軍艦島での暮らしをモデルとした理想郷を今の時代に生かすことはできないのだろうかと考えてしまいました。

理想郷、夢で終わらせたくないですね。トマス・モアの『ユートピア』、夏休みに読んでみるのもいいかも

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